4.5.2 磁気方位
(1)地磁気センサの役割
地磁気センサにより、地球の磁気を検出することで機体の向き方位や姿勢を知ることができる。地磁気センサは正常な方位を計測しない場合があるが、それは磁力線が示す北(磁北)と地図の北に偏角(へんかく)が生じるためである。
(2)飛行環境において磁気に注意すべき構造物や環境
地磁気の検出には、鉄や電流が影響を与える。一般的に影響を与えるものは、高圧線や変電所、電波塔、鉄材を多く使用された建物、新幹線や電車の鉄道、自動車、鉄板など鉄材が多く埋め込まれた場所などがあげられる。機体の姿勢や進行方向に影響を与える場合がある。
(3)無人航空機の磁気キャリブレーション
無人航空機の磁気キャリブレーションとは、飛行前にその場所の地磁気を検出して方位を取得し、GNSS機能やメインコントローラーに認識させることである。磁気キャリブレーションが正しく行われていないと、機体が操縦者の意図しない方向へ飛行する可能性がある。飛行させる場所により、地磁気の方向は異なるので、磁気キャリブレーションを行うことが重要である。