5.2.3 緊急時の対応
緊急時には、離陸地点などに戻すことを前提とせず、速やかに近くの安全な無人地帯へ不時着させる。
(1)機体のフェールセーフ機能
送信電波や電源容量の現象などにより飛行が継続できない場合、又は継続できないことが予想される場合は、予め飛行制御アプリケーションのフェールセーフ機能により、自動帰還モードへ切り替わり、離陸地点へ飛行する。さらにバッテリー残量が極端に少ない場合などはその場で自動着陸を試みる。
フェールセーフ機能発動時、機体の動作をホバリング、その地点での着陸、自動帰還などの設定を行うことができる機体もある。
フェールセーフ機能発動中にバッテリー残量不足等の飛行が継続できない場合、又は予想される場合、機体は着陸動作に遷移し着陸を試みる。
(2)事故発生時の運航者の行動について
運航者は、事故発生時においては、直ちに無人航空機の飛行を中止するとともに、負傷者がいる場合には、第一にその負傷者の救護及び緊急通報、事故等の状況に応じた警察への通報、火災が発生している場合の消防への通報など、危険を防止するための必要な措置を講じ、次に当該事故が発生した日時及び場所等の必要事項を国土交通大臣に報告しなければならない。
(3)カテゴリー飛行において追加となる緊急時対応手順〔一等〕
第三者上空飛行中に何らかの原因で緊急時の対応が求められた時に備えて、予め対応手順を決め速やかに緊急対応作業が行えるよう継続した訓練が求められる。
- GNSSによる位置の安定機能を用いない飛行訓練
- 機体寸法に応じた緊急着陸地点の確保
- フェールセーフ機能が動作しない飛行距離等の把握
- 墜落時の安全優先順位の明確化
- 機体が発火した際の消火方法
- 緊急連絡網の作成