5.操縦者に求められる操縦知識5.2.2

5.操縦者に求められる操縦知識5.2.2 ドローン一等国家資格【学科対策】

5.2.2 手動操縦及び自動操縦

(1)手動操縦・自動操縦の特徴とメリット

1)無人航空機の操縦方法(自動操縦と手動操縦)

無人航空機は優れた安定性と高い飛行性能から、人による手動操縦だけでなく、アプリケーションなどにより事前に設定した飛行経路を正確に飛行することが可能となっている。
飛行自体は自動で飛行し、機体に付属している撮影用カメラなどのみ人が操作するような複合的な操縦も行える。
空中写真測量などによる飛行では測地エリアを指定するのみで自動的に飛行経路や撮影地点をプランニングする機能も備えられている。
手動操縦は送信機のスティックにより機体の移動を命令して行う。操縦者の操縦技量によって飛行に安定性に差が生じるが、操縦技量が向上すると自動操縦では実現できない複雑で変化に対応した機体の操作が行える。

2)手動操縦の特徴とメリット

無人航空機の安定飛行に必要なGNSS受信機やセンサを用いた機体を、コントローラースティックで意図した方向に飛行させるが、その制御は全て人が行う。
操縦者の習熟度によって飛行高度の微調整や回転半径や航行速度の調整、遠隔地での高精度な着陸など細かな操作が行え、複雑な構造物の点検作業や耕作地の農薬散布、映画のような芸術性を要求される空撮などでは手動操縦による制御が求められる。
安定した飛行に使われているGNSS受信機や電子コンパス、気圧センサなどが何らかの原因により機能不全に陥ったときには手動操縦による危険回避が求められる。
定められた航路を高精度に飛行をするなど、高い再現性を求められる操縦には不向きである。

3)自動操縦の特徴とメリット

飛行を制御するアプリケーションソフトに搭載されている地図情報に、予め複数の飛行時のウエイポイント(経過点)を設定し飛行経路を作成する。
ウェイポイントは地図上の位置情報の設定だけでなく、機体の向きや高度、速度など詳細な設定が可能である。
手動操縦に比較して、再現性の高い飛行を行うことができるため、経過観察が必要とされる用地や、離島への輸送、生育状況を把握する耕作地などの飛行に利用される。

(2)自動操縦におけるヒューマンエラーの傾向

ウェイポイント設定時、飛行経路上の障害物等の確認不足によって衝突や墜落が発生することが想定できる。設定した飛行経路上の障害物等は事前に現地確認を行うこと。

(3)手動操縦におけるヒューマンエラーの傾向

手動操縦は無人航空機を精細に制御できる反面、操縦経験の浅い操縦士が操作を行うと様々な要因で意図しない方向に飛行してしまう場合がある。
これは操縦者の視線と回転翼航空機の正面方向が異なる場合に発生しやすい。さらに機体と操縦者との距離が離れると機体付近の障害物などとの距離差が掴みにくくなり接触しやすい状況となる。
これらのリスク回避には、機体をあらゆる方向に向けても確実に意図した方向や高度に制御できる訓練や、指定された距離での着陸訓練などが有効となる 。

(4)自動操縦と手動操縦の切り替えにおける操作上の注意と対応

自動操縦中、下記のような状況下で手動操作に切り替える場合がある。

  • 作業指示による手動操作
  • 何らかの原因で不安定な飛行と判断した場合

手動操縦に切り替えた後は、急な航行速度の低下や失速に備えた操作準備や、障害物への接近を避けるための機体方向の確認、ホバリングしての機体の安定性や周囲の安全の確認などが必要となる。

(5)カテゴリー飛行において追加となる自動操縦の注意点〔一等〕

カテゴリー飛行の自動操縦時では、飛行経路及び周辺に送電線や構造物が障害とならない飛行範囲や経路を事前に確認し設定する。また、鳥などの野生動物からの妨害を想定し防御や手動操縦での切り替えを速やかに行え

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